今朝からTwitterで、けものフレンズの監督である「たつき」様の記事が多く出ています。
公式発表ではありませんが、本人のTweetから、けものフレンズ第2期の監督を降ろされるとのこと。
これに関して、フォロワーさんより「たつき監督を【けものフレンズ痛飛行機プロジェクト】に迎えてはどうか。」というご意見をいただきましたので、主催である空飛ぶたぬきの考えを書いてみたいと思います。
低予算アニメーション
アニメーションの製作には多額の費用がかかりますが、今回のけものフレンズについては、かなりの低予算で作成されていると聞いています。
これは、たつき監督自身や製作会社が草の根活動をされたことはもちろんですが、作品自身にも魅力があったと思います。
通常、アニメーション製作には各種企業が資本を出し合い、相互連携団体として「制作委員会」と言われる組織が作られます。
そして、そのアニメーションに関する全ての権利(利権)は制作委員会の承認を経て、各種メディア等に提供されています。
けものフレンズは制作委員会方式ではないらしく、この辺りが「低予算アニメ」と言われている理由だと考えています。
たつき監督の功績
現在これだけの社会現象をもたらしているのは、何よりも作品が魅力的であったことが挙げられますが、その裏でたつき監督や制作会社の努力があったことは、誰も否定しないと思います。
監督とはいっても、作品の根底となる各種作業を一人でこなし、さらには各種メディアやSNS等での告知、さらにはコミックマーケットへのサークル参加と、アニメーション監督としては異例でかつ精力的な行動が根底にあると思っています。
それだけに、作品を愛する人=監督を愛する人という動きが活発化し、今回の騒動に発展したとも言えます。
KADOKAWAの思惑
ここまで人気になった作品の監督を、第2期制作が決まった今の段階で変更するのでしょう。
私は次のように考えています。
- 監督や制作会社を含め、自社傘下にシフトして、その利権を得る。
- 監督とKADOKAWAとの間に大きな意見の相違があり、相互理解を得ることができなかった。
- KADOKAWAが、(作品の人気にあやかり)新しい将来性のある新監督をあて、将来の布石としたい。
いずれにおいても、作品の利権や著名度といったものが見え隠れするのは仕方のないことです。
非常に無粋な言い方ですが、「利益を得なければ企業として成立しない。」ことも事実です。
ユーザー(視聴者)は
Twitterはもちろんのこと、各種メディアも取り上げており、皆さんのご存じの通りです。
コアなユーザーに至っては、(KADOKAWA傘下である)ニコニコ動画(ドワンゴ)の会員離脱や第2期の円盤(BD等)の不買、署名運動等、ちょっとした社会現象になっています。
この流れからすると、人気作品だったのに、一気にユーザーが離れていく可能性も否めない状態です。
正直、私も「監督が変わること」は。「作品の世界観が変わること」と考えており、今までの「けものフレンズ」が壊れてしまうのでは無いかと危惧しています。
もちろん、ユーザーによっては「監督名は関係ない(知らない)」という方もいます。
しかし、やはりアニメーションを収益作品としてみた場合、コアなユーザーは収益を上げるという点からも必須であり、今回の騒動が第2期、ひいては「けものフレンズ」という作品そのものの評価(人気)を下げる結果にならないのか。非常に気がかりです。
痛飛行機プロジェクトは
本プロジェクトは、公式に製作を通知し、「二次創作でかつ、無償であること」を条件として進めることを許可されています。
二次創作ですので、公式絵の提供や各種宣伝を受けることは出来ず、かつ製作も個人レベルで進めています。
今回のたつき監督降板によって、受ける影響は直接はありません。
ただ、製作会社が変わるというのは、「二次創作に対する考えも変化する可能性」を秘めており、この点で不安があるのは正直なところです。
プロジェクトにたつき監督を招聘
いただいたご意見には、「けものフレンズ痛飛行機プロジェクトに(個人として)たつき監督を招いてはどうか。」というものです。
先に結論を言いますと、現状では「反対」です。
これは、次のような考えからです。
- 降板の理由が定かでは無い現在において、時期尚早であること。
- たつき監督の今後を検討して得策では無いこと。
- KADOKAWAとの関係が微妙なバランスの上にあること。
1について
説明の必要はないかと思います。まずユーザーである我々が足下をしっかり固めること。正しい情報をもとに検討する必要があると思っています。
2について
たつき監督は「アニメーション業界」でお仕事をしている方ですし、非常にユーザーに対してフレンドリーです。
そういった意味では、プロジェクトに(ボランティア精神に近い形で)参加してくれる可能性はあります。
しかし、私としては、「今回の騒動で衆目となった本人が、二次創作活動に(個人としてでも)参加すること。」は、アニメーション業界から良い目では見られない可能性が高い。ということです。
これはそのままご本人の今後を大きく左右する可能性が高いと考えています。
3について
プロジェクトは、二次創作として進められています。
これは、版権という非常に厳しい制約を、ある一定の条件下で不問にされていることを再認識すべきだと思います。
今回これだけの騒動になった監督が参加することになれば、大きくメディアに取り上げられ、それはKADOKAWAも目にすることでしょう。
それは、現在二次創作に限りフリーであった作品が、より厳しい版権管理下に置かれる可能性もあるのです。
アニメーション業界
良くも悪くも、空飛ぶたぬきは業界に触れる機会、しかもビジネスとして触れることが多くなりました。
そこで得た結論は、「利権が絡むと、請負側が非常に不利になる。」というものです。
詳細は省略しますが、下請けの厳しさを痛感することがかなり多く、第1回プロジェクトが終わった時に、「もうやりたくない。」と思えるほどでした。
何よりも残念なのは、それを「常識」としてみている空気があちこちに存在していたことです。
それは、仕事だけにとどまらず、人間関係についても同様です。
たつき監督は、そういった環境下で素晴らしい作品を生み出しているということは、常に心にとどめておきたいと思っています。
今後は
KADOKAWAの代表は、今朝になるまでこの事象を知らなかったというTweetが流れていました。
恐らく数日中に結論が出るでしょう。
たつき監督が戻ってくることを期待したいのですが、それは我々が口を挟める問題ではなく、嘆願することしかできません。
ただ、このまま新しい監督になったとしても、かなり厳しい闘いが待っているのは間違いないでしょう。
評価は「マイナス」からのスタートになると思っています。
痛飛行機プロジェクトはどうするのか
「できる事をきっちりとこなしていくこと。」今はこれだけだと思っています。
やや消極的と思われるかもしれませんが、一般公開の場所も少しづつ決まり、機体製作の目処も立ちつつある重要な時期です。
まずは、目の前のやれることをきちんとその日のうちにこなすこと。
今回の事象について、空飛ぶたぬきができる事はそれぐらいです。あとはゆっくり行く末を見守りたいと思っています。
引き続き、皆様のご理解とご協力、ご意見をお待ちしております。
たつき監督のけものフレンズ痛飛行機プロジェクト招聘は非常に魅力的な提案でした。
アピールできるという点では申し分ない意見ですが、それは当方だけの都合であり、場合によっては二次創作の危機を生み出す可能性さえ秘めています。
だからこそ、「個人(みなさん)で作成した二次創作の痛飛行機」
このスタンスを大事にしつつ、今できることを進めていきたいと思います。
※ 本記事は、9月26日15:00現在の各種情報をもとに記載しておりますため、後ほど異なる情報等が出ている場合もございますことをご了承下さい。