ヘリコプターパイロットを目指すためには

空飛ぶたぬきの所には、ヘリコプターパイロットを目指す方からの問い合わせが多数届きます。

ドクターヘリや警察、消防等のヘリコプターパイロットは、その仕事の重要性や責任の重さから、人気のあるお仕事です。

自衛隊や海上保安庁など、ライセンス(技能証明)を取得できる会社・官公庁は少ないため、それらを経由せずにヘリパイになるにはどうしたらいいのでしょうか。

覚書程度に書いてみました。


ライセンスについて

ライセンス(技能証明)は回転翼航空機の場合、かなり細部に区分されています。

まず、エンジンがレシプロ(ガソリンエンジン)かタービン(ジェット)か、そして、エンジンの個数が単発か多発、さらに、(まずないのですが)陸上から水上かです。

陸上・水上は検討の余地はほとんどなく、陸上が主になります。

このことから、大きく4つに区分されます。

  • 陸上・単発・レシプロ
  • 陸上・多発・レシプロ
  • 陸上・単発・タービン
  • 陸上・多発・タービン

です。

それぞれの技能証明は、上位互換という考え方が無いため、取得した技能証明に限定されて機種でしか飛行できません。

仕事としてヘリコプターパイロットをする

技能証明の限定から、仕事によって必要なライセンスが異なります。

ドクターヘリや警察、消防等のヘリは多発・タービンのタイプですので、多発・タービンのライセンスが必要です。

航空機使用事業会社や運送事業会社等では、単発・レシプロや単発・タービンで運航しているところがあります。

以上のことから、どこで仕事をするのかを、技能証明取得時から検討する必要があります。

技能証明取得にかかる経費

一般に飛行機に比べ、回転翼航空機の方が高価です。

陸上・単発・レシプロであるロビンソンR-22クラスでも、7~8万/時間というところです。

これは、単発<多発<レシプロ<タービンという図式になっており、陸上・単発・タービンのAS-350クラスで12~15万/時間、陸上・多発・タービンクラスのEC-135クラスで35~40万/時間と非常に高価になります。

取得する技能証明の限定に合った機体で訓練と試験を受けますので、最初は陸上・単発・レシプロで技能証明を取得し、仕事や訓練でより上級の資格取得にチャレンジするのが一般的になっています。

自家用操縦士取得で40時間の経験が必要ですが、R-22クラスで40時間を計算すると、8万×40時間で320万円、ただしこれは最低ラインであって、技量の到達程度によっては、金額は上がる可能性が高いです。

事業用ですと、150時間の経験ですので、さらに高額になります。

空飛ぶたぬきの会社(イー・フライトアカデミー)ではどうしているのか

上記の金額は、日本での単価です。

米国では、より安価になっていますので、米国留学を行って費用を下げ、帰国後、日本の技能証明への書き換えを行っています。

ただ、自家用の場合は筆記試験だけで書き換えが可能ですが、事業用は実機による実技試験が必要なため、帰国後も日本での訓練が必要になります。

それでも、トータルで見ると、必要時間のほとんどを米国で飛行した方が、かなり安上がりにはなります。

技能証明を取得して就職できるのか

これは、ひとえにタイミングの問題もありますが、もう一つ重要な要素として飛行経験があります。

例えば、ドクターヘリ事業の場合、必要とされる飛行時間は2000時間以上です。

通常、事業用操縦士(陸上・多発・タービン)を取得する時で、早い方で200時間程度、遅い人でも300時間程度しか飛行していません。

このため、別の会社や事業、プライベートで飛行時間を稼ぐ必要があります。

事業会社で(フライトの)仕事をしつつ経験を稼ぐのが、給料をもらいつつ飛行時間を稼げるので理想です。

しかし、運送事業(人や物を運ぶ仕事)で飛行するには、500時間の飛行時間が必要なことが多く、やはり技能証明を取得してすぐに就職することは難しいと言えます。

 


以上になりますが、金銭的な問題もありますが、やはり就職できるか否かが重要です。

過去に同じように技能証明を取得した方は飛行時間が少ないにもかかわらず就職できた例もありますし、また、さらに教員のライセンスを取得して、米国で就職した例もあります。

そういった面では、日本に限らず広くアンテナを広げておく必要があるかと思います。


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