コールサイン、なんか格好良いですよねw
コールサインは、無線呼出符号といって総務省の電波法に規定されている固有の符号です。
通常、航空機の場合は電波法で「航空機局」という区分になり、各局ごとに一意のコールサインが設定されます。
言い換えれば、「航空機毎にコールサインが決まる」事になりますが、実際はそれほど単純ではないのです。
セスナ機などの小型航空機
航空機には、電波法で定める「無線局免許状」と呼ばれる免許状があります。
これは、航空機を航空の用に供する(ようは飛行する)場合、必ず必要なもので、総務省の電波監理局のほうで統括されています。
1機につき、1つのコールサインですので、他の航空機とかぶることはありません。
そして、その名付け方法は決まっています。
小型航空機の場合は、航空法で定める「航空機登録証明書」と言われる書類が必要になります。
この書類には、製造会社や所有者などの登記情報の他に、登録記号と呼ばれる6文字で構成されるアルファベットと数字の組み合わせが使用されます。
日本の場合ですと、「JA」の後ろにアルファベットや数字で構成された4桁をつけ、合計6桁の呼出符号になります。
これが、電波法で定める無線呼出符号にもなります。
たとえば、JA1234という登録記号の場合は、無線呼出符号もJA1234(じゅりえっと・あるふぁ・わん・つー・つりー・ふぉあ)となります。
これは、航空機の所有者が変わってもかわりません。言い換えれば、一度登録すると航空機が廃棄されるまでそのままなのです。
そして、今のところ一度でも使われた登録記号は再度使用されることはありません。
登録記号=無線呼出符号の原則を変えることもできる
搭乗する航空機が決まれば、呼び出し符号も決まることになりますが、この原則を変えることもできます。
通常あまり利用されませんが、編隊飛行等を行う場合は、2機以上の航空機を1個のユニットとして運用するために、使用する無線呼出符号は1つになります。
このような場合は、自分で任意の無線呼出符号を使用することができます。
任意ですので、何でもかまいませんが、一意である必要はあります。
たとえば、4機で編隊飛行を組みたいとします。
そして、任意で「エルフ」編隊となまえをつけたい場合は、飛行前に提出する飛行計画書(フライト・プラン)の「呼出符号」セクションに「エルフ(ELF)」と記載します。
これだけで、その4機編隊はエルフの呼出符号を使えることになります。
ただし、この場合は注意が必要です。
エルフの呼出符号は、4機編隊全体を指します。(ユニットという言い方を使います。)
ですので、個々の機体を指す場合は、末尾に番号をつけることにより識別します。
1番機から「エルフ1」となり、4番機は「エルフ4」となります。
もし、このエルフ編隊が2機づつに分かれて飛行したい場合は、呼出符号も変化します。
1,2番機編隊と3,4番機編隊に分かれた場合は、それぞれ、「エルフ1編隊」と「エルフ3編隊」というように区別されます。
自衛隊やエアラインの場合
自衛隊の航空機も、エアラインの航空機も原則は同じです。
すべての航空機は登録記号を持つことになっていますので、登録記号=無線呼出符号です。
でも、実際は異なっているのは皆さんご存じの通りです。
これらの航空機の場合は、それぞれその使用目的や運航方法によって、呼出符号をつけています。
自衛隊の場合は、その所属する部隊名を表す名称に二桁の数字
エアラインの場合は、その所属する会社名を表す名称に2桁から4桁の数字を使用しています。
言い換えれば、コールサインを聞くだけで、どこの会社のどこ行きというのが分かるようになっているのです。
このように運用することで、たとえば機体のトラブルで機材変更になっても、コールサインは同じものが使用できます。
また、お客様が搭乗する便であれば、便名を変更せずにすみます。
航空法の基本は、「航空の発展と利便性を図ること」ですから、このような特例も使用されるのです。