セスナというと、小型機の代名詞のように言われていますが、セスナは会社の名前なのです。
もともと2~4人乗りの小型機が有名な会社なので、小型機は全部セスナと思っている方も多いのですが、他にもたくさんの会社があります。
最近は、アルミ等の金属ボディではなく、樹脂や複合材を使った一体形の機体も人気があり、アメリカではすでに高翼金属製の機体は時代遅れのような風潮もあったりします。
最近の主流は、小型機であってもグラスコクピットが搭載されています。
このために、昔より1,000万円近く値段が上がった・・・という弊害もありますが、やはり高性能なコクピットは便利ですし、使い勝手もいい。
ただし、勉強する内容はかなり増加するという弊害もありますが。
本日は、社員さんに新型セスナの教育をするために、佐賀県は佐賀空港にあります、エス・ジー・シー佐賀航空株式会社さまにお邪魔してきました。(ホムペはこちら)
昔から佐賀県、九州一円で写真撮影や遊覧飛行を行っている会社で、飛行機もヘリコプターも運航している大きな会社です。
新型のセスナは、グラスコクピット「GARMIN社製のG1000」というアビオニクスを搭載しているのですが、今までのセスナと全く異なる設計運用思想のもとに制作されています。
このため、日本の国土交通省内では、「今までのセスナと全く別の飛行機」の扱いになっており、過去に機長として乗務したことがない人は、再度審査(試験)を受けなければ乗ることができません。
今回は、この試験に合格させるための訓練飛行です。
久しぶりに教官業務です(^-^*)
訓練といっても、特別なことはありません。
ただし、「G1000」の取扱いを除けば・・です。
このアビオニクスは見た目はもちろんですが、搭載している機能は、エアラインの機体に搭載しているものとほぼ同じです。
使いこなすには、とても分厚いマニュアルと数日はにらめっこしないと、まず使えません。
機能が多すぎて、嫌になる人もいるくらいです。
でも、その機能や精度は素晴らしく、今後はゆっくりとでしょうけど、こういったグラスコクピットに変わっていく気がします。
実際、今日の訓練でも航空機の取扱や基本操作、離着陸は全く問題なくおわりましたが、やはりG1000の取扱は、難しい。
ボタンは多いし、情報量はすごいし、何より各種のモードの階層が深いので、操作しながら迷子になりそうになります。
困った時は「BACK」ボタンが装備されているのですが、これを押すとリセットされるものの、それまでに設定した内容は全て吹っ飛ぶという鬼畜な仕様となっております。
BACKをおさずに、奮闘するのがG1000の醍醐味でしょうかw
飛行後、訓練された方(佐賀航空の社員さん)は、
「もー、無理、これは若い人のための飛行機だ!!」
と、おっしゃっておいででした。
パソコンやゲームに強い方なら、すんなり入れるかもしれませんね。
このセスナC172Sに代表される、グラスコクピット搭載機は今後も増えていくと思っています。
ただ、少しだけ個人的には心配しています。
昔のアナログ計器からグラスへの移行は、多少時間がかかっても出来るでしょう。
でも、グラスで育った人がアナログへの以降は、かなりの違和感を覚えるかもしれません。
計器類の見方や、使い方、精度や機構、機能や運用思想など、違いが大きすぎるのです。
私が古い人間、古い操縦士なのかもしれませんが、やはり最初の訓練は
アナログ計器に限る。
という気がしています。
どこが違うのかって?
ぜひ、ご自身の目でお確かめいただきたいと思います。
オフレコですが、今度個人的にこのC172Sをレンタルしたいと思っています。
運が良ければ、ご一緒しましょうね^^
あ、保険だけはしっかりかけておいてくださいませwww
是非一緒に飛びましょう
連絡くださいませ。
G1000だけですね
ありがとうございます。
ただ、この時の記事を書いているときは、九州の某使用事業会社に勤めておりました。
現在は、別の場所にいるため、当該機体は使用してないです・・・。