これは私の言葉というか信念ですが、何にでも当てはまるかと思っています。
航空自衛隊に入隊して、一人前の戦闘機操縦者となり数年、あるとき突然、教官として勤務すべく転勤を命じられました。
最前線で勤務している自分に誇りをもっていただけに相当ショックで・・でも、公務員ですから従わないわけには行きません。
しかし、操縦教官として勤務するうちに、これが私の天職ではないかと思い始めます。
それは、教官という仕事に面白みを感じたのかもしれません。
教官(先生)の仕事は「教える」ことです。
でも、「教える」というと非常に高い位置から見下ろしているような気がします。
自分自身が今の立場になっているのは、多くの師からの教えがあったからこそです。
だから、今度はそのことをより多くの人(生徒)に広めることが大切ではないかと。
そして、いろいろな師に教えを請いながら、あることに気がつきます。
教育とは伝えること。
教える・・ではないのですよね。
自分の持っている知識や経験を、相手に伝えること。
言い換えれば「伝えることを全て話してしまっても良いのです。」
昨今の教育・・とはいっても私が知っていることはわずかですが・・
「(何も教えずに)自分でやるんだよ」という風潮を感じることがあります。
確かに、人(生徒)である自分自身がやる気をだしていかないと、身につくことはありません。
ただそれは、「とっかかり」がある場合です。
ほとんどの場合、初めて行うことは「とっかかり」がないことが多い。
指導係、教育係、教官、教員、先生・・・そういった仕事についている方であっても、そのあたりをはき違えている人がいるような気がします。
私も操縦教員ですから、「自分でやってほしいな」と思うことはあります。
でも、「とっかかり」なくしては、スタートできないことも事実なのです。
だからこそ、「最初は誰でも初めて」なのです。
勉強だけでなく、趣味やコレクションなど、初めて体験や行動した人を馬鹿にしたり、軽んじたり、はては自分が上手だからと優位性を説く人がいます。
でも、私はそういうのはダメだと思っています。
最初だからこそ、できることもあり、出来ないこともある。
一つ一つ習得したり、人から得たりしながら成長するものだと。
だから、どんなことでも「初めて」は大切にしたいと思っています。